一次関数(1)
このページは、中学2年で学習する一次関数の計算プリントを収録しています。類題を含む多数のプリントの中から、必要な内容のプリントを簡単に表示し、必要なだけダウンロードすることができます。計算力向上のためにご利用ください。
はじめに
「関数が嫌い」という生徒さんに苦手な理由を聞くと、「\(x\)とか、\(y\)とかって、意味が分からない」とよくいわれます。このような生徒さんに対して、関数の意味を理解するところから説明してもできるようにはならない(≒テストで点が取れない)ことが残念ながらほとんどです。私の説明のしかたが不十分だという意見がある一方で、苦手意識を持っている人に苦手だと感じる説明を真正面からトライしてもなかなか受け入れてもらえないのも現実でしょう。
ところで、関数の問題では、形が指定されているために、同じような計算しか出てきません。したがって、計算方法さえ習得してしまえば、定期テストレベルであればそれなりの点をとることができます。計算ができるようになれば、そこから応用的な問題にも(少しずつでも)適用できるようになり、関数の意味を理解するための助けになると私は考えています(詳しくは以下のコラムを参照)。
ここでは、中学2年で履修する一次関数の基本問題を繰り返し解くことによって、一次関数の計算問題をマスターすることを目指しています。このページでは、特に、一次関数を\(y=ax+b\)の形で表していて、\(y\)切片が整数値のみの場合を扱っています。\(y\)切片が整数値でなかったり、2直線の交点を求めるなど、この後に学習する内容の問題はその2に収録されています。
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問題の解き方とプリント
プリントの種類と解き方
一次関数の式からグラフをかくことと、逆に、グラフから一次関数の式を求めます(y切片の値が整数値の場合)。プリントでは、2(1)ページ目が1(2)ページ目の答えになっています。
- 例題1
- 一次関数\( y = -2 x + 1 \)のグラフをかけ
- 解き方
-
・式から傾きと\(y\)切片を読み取る
→ 傾きは\(\color{red}{-2}\)、\(y\)切片は\(\color{blue}{+1}\)
・\(y\)切片の数値から、\(y\)軸上の位置に印をつける
→ \(y\)切片が\(\color{blue}{+1}\)なので、\(y\)軸上の\(y\)座標が\(\color{blue}{+1}\)の点に印をつける
・傾きを分数で表す
→ \(\color{red}{-2} = \frac{-2}{+1} \)
・分数で表した傾きから、他の点に印をつける
→ 分母の\(+1\)は\(x\)軸方向に進む量、分子の\(-2\)は\(y\)軸方向に進む量
・印をつけた点を一本の直線で結ぶ
- 例題2
-
以下のグラフが表す一次関数の式を求めよ
- 解き方
-
・グラフが格子点(\(x\)座標、\(y\)座標ともに整数の点)を通っている場所に印をつける
・\(y\)軸上の格子点を選び、その\(y\)座標を読む
下の例の場合は\( \color{blue}{ +1}\) → これが\(y\)切片
・格子点間の関係を見つける
\(x\)軸方向に\(+1\)、\(y\)軸方向に\(-2\)進むと隣の格子点がある
→ \( \frac{-2}{+1} = \color{red}{-2} \)が傾き
・一次関数の式を出す
→ 傾き\(\color{red}{-2}\)、\(y\)切片\(\color{blue}{+1}\)より
\( y = \color{red}{-2} x \color{blue}{+ 1} \)
一次関数の式に\(x\)(または\(y\))の値を代入し、対応する\(y\)(または\(x\))の値を求めます。
- 例題3
- 一次関数\(y=-2x+3\)について、\(x=2\)のときの\(y\)の値を求めよ
- 解き方
-
・一次関数の式に\(x\)の値を代入する
→ \(y=-2x+3\)の\(x\)に\(x=\color{red}{2}\)を代入
\(y=-2 \times \color{red}{2}+3 = -1\)
- 例題4
- 一次関数\(y=-2x+3\)について、\(y=-1\)のときの\(x\)の値を求めよ
- 解き方
-
・一次関数の式に\(y\)の値を代入する
→ \(y=-2x+3\)の\(x\)に\(y=\color{blue}{-1}\)を代入
\(\color{blue}{-1}=-2x+3\)
・方程式を解いて\(x\)の値を求める
→ \(2x=3+1\)
\(2x=4\)
\(x=2\)
一次関数(直線)の式を計算で求めます。
- 例題5
- 傾きが\(5\)で、点\( (-1,3) \)を通る直線の方程式を求めよ
- 解き方
-
・\( y=ax+b \)の式にあてはめる
→ 傾きは\(a\)なので、\(y=5x+b\)…①となる
・点の座標から\(x\)と\(y\)の値を代入する
→ 点\( (-1,3) \)なので、\(x=-1\)と\(y=3\)を①に代入
\( 3 = 5 \times (-1) + b \)
\( b = 2 \)
・求めた数を式にあてはめる
→ 直線の式は\( y=5x+2 \)
- 例題6
- 2点\( (-4,-4) \)、\( (-1,0) \)を通る直線の方程式を求めよ
- 解き方
-
・各点の座標から、\(y=ax+b\)に\(x\)と\(y\)の値を代入する
→ \( (-4,-4) \)から、\( -4=-4a+b \)
\( (-1,0) \)から、\( 0=-a+b \)
連立方程式を解くと\( (a,b)=(\frac{4}{3},\frac{4}{3}) \)
・求めた数を式にあてはめる
→ 直線の式は\( y= \frac{4}{3} x + \frac{4}{3} \)
一次関数の変化の割合と変域を求めます。
- 例題7
- 一次関数\( y=-2x+1 \)について、\(x\)の値が\(-1\)から\(2\)まで増加したときの\(x\)の増加量、\(y\)の増加量、変化の割合を求めよ
- 解き方
-
・\(x\)の値から、対応する\(y\)の値を求める
→ \(x\)の値が\(\color{red}{-1}\)から\(\color{blue}{2}\)まで増加なので
\(x=\color{red}{-1}\)のとき\(y=-2\times(\color{red}{-1})+1=\color{red}{3}\)
\(x=\color{blue}{2}\)のとき\(y=-2\times\color{blue}{2}+1=\color{blue}{-3}\)
これより、\((\color{red}{-1},\color{red}{3})\)から\((\color{blue}{2},\color{blue}{-3})\)に変化したことになる
・\(x\)の増加量、\(y\)の増加量、変化の割合を計算
\((\color{red}{-1},\color{red}{3})\)から\((\color{blue}{2},\color{blue}{-3})\)に変化したとき
\(x\)の増加量:\(\color{blue}{2}-(\color{red}{-1})=3\)
\(y\)の増加量:\(\color{blue}{-3}-\color{red}{3}=-6\)
変化の割合:\( \frac{yの増加量}{xの増加量} = \frac{-6}{3}=-2 \)
- 例題8
- 一次関数\( y=-2x+1 \)について、\(x\)の増加量が\(3\)のときの\(y\)の増加量を求めよ
- 解き方
-
\(\small{(変化の割合)=}\frac{\large{(yの増加量)}}{\large{(xの増加量)}}\)
\(\small{(yの増加量)}\)\(\small{=(xの増加量)\times(変化の割合)}\)
\(\small{(xの増加量)}\)\(\small{=(yの増加量)\div(変化の割合)}\)
・変化の割合は\(y=\color{red}{a}x+b\)の\(\color{red}{a}\)
→ 式は\(y=\color{red}{-2}x+1 \)
\((変化の割合)=\color{red}{-2}\)
\((yの増加量)=3\times(\color{red}{-2})=-6\)
- 例題9
- 一次関数\( y=-2x+1 \)について、\(-1 \leqq x \leqq 2\)のときの\(y\)の変域を求めよ
- 解き方
-
・\(x\)の値から、対応する\(y\)の値を求める
→ \(x=\color{red}{-1}\)のとき\(y=-2\times (\color{red}{-1})+1=\color{red}{3}\)
\(x=\color{blue}{2}\)のとき\(y=-2\times\color{blue}{2}+1=\color{blue}{-3}\)
これより、\((\color{red}{-1},\color{red}{3})\)から\((\color{blue}{2},\color{blue}{-3})\)に変化したことになる
・\(y\)の変域を求める
\((\color{red}{-1},\color{red}{3})\)から\((\color{blue}{2},\color{blue}{-3})\)に変化したとき、\(\color{red}{3} > \color{blue}{-3}\)より
\(\color{blue}{-3} \leqq y \leqq \color{red}{3}\)
一次関数の式からグラフをかくことと、逆に、グラフから一次関数の式を求めます(変域が設定されている場合)。プリントでは、2(1)ページ目が1(2)ページ目の答えになっています。
- 例題10
- 一次関数\( y = -2 x + 1 ( -1 \leqq x \leqq 2 ) \)のグラフをかけ
- 解き方
-
・グラフをかく通常の手順で格子点に印をつける
→ \(y = -2 x + 1\)より、傾き\(\color{red}{-2(=\frac{-2}{+1})}\)、\(y\)切片\(\color{blue}{+1}\)
・\(x\)の変域の両端が示す点の間を直線で結ぶ
→ \(-1 \leqq x \leqq 2\)から、\( x=-1 \)と\( x=2 \)の点の間を直線で結ぶ
・残りの部分を点線で結ぶ
- 例題11
-
以下のグラフが表す一次関数の式を求めよ
- 解き方
-
・点線部分を含めたグラフから、傾きと\(y\)切片を読み取る
→ 傾き\( \color{red}{ \frac{-2}{+1} = -2 } \)、\(y\)切片\( \color{blue}{ -1}\)より\( y = \color{red}{-2} x \color{blue}{+ 1} \)
・グラフの両端の点の\(x\)座標を読み取る
→ \(x=\color{red}{-1}\)と\(x=\color{blue}{2}\)
・変域を決める
→ \(\color{red}{-1} < \color{blue}{2}\)より、変域は\( -1 \leqq x \leqq 2 \)となるので、この線分をあらわす式は
\( y=-2x+1 ( -1 \leqq x \leqq 2 ) \)
つづきはその2へ
プリント
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その2へつづく