興久山乗運寺について
このページでは、興久山乗運寺について紹介しています。
沿革
興久山乗運寺(正式には乘運寺)は、三河国下條村の住人中村賀門之助の発願により、遠江国鷲津の常霊山本興寺五世の日暹聖人が文明11(1479)年に開山した法華宗の寺院です。当時は、下條村の中村一族の信仰の道場として建立された法華堂があり、春・秋の彼岸やお盆の時などに鷲津から僧侶を呼んでお経をあげていただいたようです。
住職が常に住するようになったのは、十七世紀になってからです。その後、三世日桂の代に客殿、番神堂、庫裡を建立し、四世日仙の代に客殿、物置、山門などを建立したと記録に残されています。今の本堂は、明治25(1892)年に建立されました。現代の価値で一億円を超える建設費だけではなく、建築資材の運搬などの労働力の提供を檀信徒よりいただきました。当時の檀家数が七十軒弱であったことを考えると、これだけの大きな喜捨をいただいた檀信徒の皆様の信仰の篤さがうかがえます。第二次大戦後の混乱期を経て、庫裡・位牌堂・書院の新築、墓地の拡張、山門の修理等により、現在の寺観となっています。
このような歴史と環境をふまえて、総本山本成寺(新潟県三条市)のもと、本山本興寺(静岡県湖西市)を中心とした東海教区の十五ヵ寺と共に、日蓮大聖人による本仏釈尊の教え(こちらを参照下さい)の広宣流布に努めています。
主な行事
当山では、年に三回の大法要を執り行っています。[( )内は例年の法要の日程]
- 祠堂法要(三月第二日曜日)
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祠堂塔におさめられた檀徒の霊を供養する法要です。あわせて、参拝者各家諸霊位の追善供養をつとめます。なお、祠堂とは、寺の本堂のことです。
- 施餓鬼法要(八月十二日)
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先祖への追善として、盂蘭盆会に際して行われる法要です。御霊位の供養とともに、各家の先祖代々の諸霊位への追善供養をつとめます。特に、新盆会をを迎えた方については、初盆として故人の霊をお迎えします。当山では、この法要の前後に、祀られている諸霊をご供養する棚経のために、各家に僧侶がお伺いしています。
- 御会式法要(十一月第二日曜日)
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日蓮大聖人の御命日(旧暦の十月十三日)にあたり、大聖人の御遺徳に感謝を捧げ、かつ、檀徒各家諸霊位を追善供養する法要です。
年度ごとの詳細な日程や内容、その他の法要・法事等については当山まで直接お問い合わせください(電話:0532-88-2219)。
歴代譜
歴代 | 没年月日(西暦) | 法名 |
---|---|---|
初 | 文明15(1483)年 | 日暹a |
2 | 寛文4(1664)年 | 自照院日芳 |
3 | 元禄14(1701)年 | 守専院日桂 |
4 | 享保6(1721)年 | 唱題院日仙 |
5 | 元文3(1738)年 | 専受院日沖 |
6 | 享保7(1722)年 | 安全院日岸 |
7 | 安永8(1779)年 | 正寿院日好 |
8 | 安永元(1772)年 | 心源院日讃 |
9 | 寛政4(1792)年 | 成就院日准 |
10 | 文化13(1816)年 | 本誓院日糺 |
11 | 文政6(1832)年 | 妙運院日敷 |
12 | 嘉永2(1849)年 | 堅固院日持 |
13 | 嘉永3(1850)年 | 本實院日立 |
14 | (不詳) | 本善院日玉 |
15 | 明治8(1875)年 | 幽遠院日旭 |
16 | 明治17(1884)年 | 唱導院日峯 |
17 | (不詳) | 行妙院日法 |
18 | 昭和5(1930)年 | 法喜院日晋b |
19 | 昭和2(1927)年 | 真浄院日充c |
20 | 昭和9(1934)年 | 深行院日理d |
21 | 昭和25(1950)年 | 宜應院日聴e |
22 | 昭和19(1944)年 | 秀学院日芳f |
23 | 平成17(2005)年 | 隆岳院日貫g |
24 | 本修院日隆h |
参考 法華宗寺院名鑑(平成版)
a 本興寺(静岡県湖西市)5世
b 本間隨道
c 藤澤円隨
d 増田常詮
e 長南存正 本寿寺(静岡県湖西市)39世 蓮着寺(静岡県伊東市)20世
f 田邊清雄
g 佐藤清賢 圓妙寺(新潟県三条市)5世
h 佐藤清純 現住職
乗運寺のイチョウ
夏 | 冬 |
※2023年2月に枝を伐採ています。